『70代からのパリジェンヌ・スタイル』というタイトル、気になって「すぐ読んでみたい!」という方も、「こういう本を読むのはちょっと… 」という方もいらっしゃるかなと思います。私はどちらかというと後者のタイプ。何故なら、大抵のこの手の本は「おフランス」的な華やかな非現実生活を「正解」とし、「お手本にするべし!」と言わんばかりに私たちの日常にズカズカと入り込んでくるから。それでも、著者ゴダール敏恵さんのお姉様が愛媛日仏文化交流会のメンバーだと知って手に取ってみたこの本の感想は、ズバリ「出会えてよかった!」でした。
本の中に登場する妙齢の女性たちは、誰もが「自分らしさ」を最も大切なものとし「自分の人生」を作品化するアーティストのような佇まいを見せています。そうして描き出される人生のスパイスとしては、恋愛、仕事の楽しさといったポジティブな面もあれば、病気もあれば離別もある。介護もあれば、母として女性としての悩みもある。
私たちはこの本のページを開くことで、そこにあるのが「非日常的な素敵な正解」ではなく「自分と変わらない女性たち」、友人になれそうなほんの少し自分よりは「潔い美しさを持った女性たち」であることに気付かされるでしょう。私たちに「勇気」を与える共感性がそこにあります。ぜひ、お手に取ってみてください。
著者のゴダール敏恵さんからメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
「今から30数年前、大学の語学研修で初めて訪れたパリ。パリジェンヌの美しさ、とりわけマダムの洗練された身だしなみや自信に満ちた態度に、まだ若かった私は強い憧れを抱きました。その後、フランス留学を経て、エステティシャン、ソシオ・エステティシャンとしてフランス女性と関わるようになって早20数年。年齢にとらわれずに常に前向きな彼女たちから、何歳になっても新しいことに興味を持ち、自信を持って輝いて生きていくことができるのだと教わりました。 拙著の執筆のため、私がこれまでに出会った素敵な70代80代の方々にお話を伺いました。それぞれが自分の生きてきた道に誇りを持っているからこそ、包み隠さずプライベートなことまで話してくださいました。 彼女たちのおかげで、私も今から20年30年後に「人生に悔いなし」と言えるように、これから新たなことに挑戦してみようと意欲が湧いてきました。 この本を手に取ってくださった方々が生き生きと年齢を重ねていかれるためのご参考にしていただけましたら、これほど嬉しいことはありません。 」(ゴダール敏恵)
https://www.shufu.co.jp/bookmook/detail/978-4-391-15908-0/
(記事執筆:Mikiko OCHI)