
愛媛日仏文化交流会では、活動の広がりを受け、フランス文化に限定しない多文化・複文化の視点から相互理解を促進する専門部署「コミュニケーション推進部(多文化・複文化)P’lab」を新たに設置しました。
「P’lab(ピーラボ)」という名称は、フランス語の pluriculturalité(複文化性) とlaboratoire(実験・実践の場) に由来しています。pluriculturalité(複文化性)とは、ヨーロッパを中心に、言語教育の分野で広く用いられている共通の枠組みであるCEFR(欧州言語共通参照枠)で示されている考え方の一つで、「人は一つの文化や立場に固定される存在ではなく、複数の文化的背景や経験を行き来しながら生きる存在である」という前提に立つものです。また、laboratoireには対話や試行錯誤を重ねながら、新たな理解や関係性を生み出していく「実践の場」でありたいという思いが込められています。
本会はこれまで、日仏の文化交流を軸に活動を行ってきましたが、その一方で、近年の社会状況の中で、排外主義的な言説や分断の広がりとともに、国籍や言語の違いに限らず、世代、価値観、生活背景、発達特性、社会的立場など、日常の中に存在するさまざまな違いが、すれ違いや孤立を生みやすい現実にも直面してきました。身の回りにある「カルチャー」の違いが生み出す分断は、特定の属性をもつ人々だけの問題ではなく、社会に生きるすべての人に関わる課題として私たちは捉えています。
愛媛日仏文化交流会では、本会がこれまで培ってきた日仏文化交流の経験を起点としつつ、今後は、国や文化を限定しない講座、日本語を含む語学講座、異文化理解ワークショップ、対話の場、研修・支援事業などをP’labを中心に展開していきます。
これまでより、いっそう開かれたかたちでの私たちの活動を応援してください。